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AIへの指示の出し方 ── 「いい感じにして」では伝わらない理由と、成果が10倍変わるプロンプト術
入門 Step 3 約15分で読めます

AIへの指示の出し方 ── 「いい感じにして」では伝わらない理由と、成果が10倍変わるプロンプト術

この記事でわかること


指示の質 = 成果の質

バイブコーディングで最も重要なスキルは、プログラミングの知識ではなく**「何を作りたいかを明確に伝える力」**だ。

AIは指示通りに動く。曖昧な指示を出せば曖昧な結果が返ってくるし、具体的な指示を出せば具体的な結果が返ってくる。これはプログラミング経験の有無に関係ない。

指示の質による結果の違い

指示のレベル指示の例結果
レベル1:曖昧「いい感じのサイト作って」AIが勝手に判断。期待と違うものが出てくる
レベル2:ざっくり「プロフィールサイトを作って」最低限のものは出るが、デザインや構成は微妙
レベル3:具体的「ダークブルー基調で、名前・経歴・スキル一覧を載せたプロフィールサイトを作って」かなり近いものが出る
レベル4:完璧目的・ターゲット・構成・デザイン・技術を全て指定一発で期待通りのものが出る
💡

目指すのはレベル3〜4

最初からレベル4を目指す必要はない。レベル3で大まかなものを作って、フィードバックでレベル4に近づけていくのが現実的なやり方。慣れてくると自然とレベル4の指示が出せるようになる。


良い指示と悪い指示:7パターン比較

実際のパターンで「悪い指示」と「良い指示」を比較しよう。

パターン1:Webサイト制作

悪い指示:

いい感じのWebサイトを作って

→ AIは「いい感じ」が何を意味するかわからない。結果はランダム。

良い指示:

以下の仕様でプロフィールサイトを作ってください:
- 1ページ構成
- 名前、自己紹介(100字程度)、スキル一覧(5個)、連絡先を表示
- 色はダークブルー(#1e3a5f)基調、白テキスト
- レスポンシブ対応(スマホでも見やすく)
- HTML + Tailwind CSS

パターン2:アプリの機能追加

悪い指示:

このアプリをもっと便利にして

良い指示:

このToDoアプリに以下の機能を追加してください:
1. タスクに「仕事」「プライベート」のカテゴリを付けられる
2. カテゴリごとにフィルター表示できる
3. 期限を設定でき、期限切れのタスクは赤色で表示
既存の機能はそのまま維持してください

パターン3:デザインの修正

悪い指示:

もっとかっこよくして

良い指示:

以下のデザイン変更をお願いします:
- ヘッダーの背景色を白→ネイビー(#1a1a2e)に変更
- ボタンの角丸を4px→12pxに変更
- カード要素にbox-shadowを追加(0 2px 8px rgba(0,0,0,0.1))
- フォントサイズを全体的に1段階大きくして

パターン4:エラーの報告

悪い指示:

動かないんだけど

良い指示:

以下のエラーが出ています。修正してください:

エラーメッセージ:
TypeError: Cannot read properties of undefined (reading 'map')
  at TaskList (TaskList.jsx:15:23)

期待する動作:タスク一覧が表示される
現在の動作:画面が真っ白になる
このエラーは「タスクを追加」ボタンを押した後に発生します

パターン5:レイアウトの指定

悪い指示:

レイアウトを変えて

良い指示:

トップページのレイアウトを以下の構成に変更してください:

【PC表示】
┌──────────────────────────────┐
│         ヘッダー(固定)         │
├──────────────────────────────┤
│   ヒーローセクション(全幅)       │
│   背景画像 + 中央にタイトル       │
├──────┬───────────────────────┤
│ サイド │    メインコンテンツ       │
│ バー  │    カード3列グリッド       │
│ 200px │                        │
├──────┴───────────────────────┤
│         フッター               │
└──────────────────────────────┘

【スマホ表示】
サイドバーはハンバーガーメニューに格納
カードは1列表示

パターン6:データの扱い

悪い指示:

データを保存できるようにして

良い指示:

入力したデータをブラウザのlocalStorageに保存してください。
- ブラウザを閉じてもデータが残るように
- データ形式はJSON
- 保存するデータ:タスク名、カテゴリ、期限、完了フラグ
- 起動時にlocalStorageからデータを読み込んで表示

パターン7:段階的な開発

悪い指示:

ECサイトを全部作って

良い指示:

ECサイトを段階的に作ります。
まずStep1として商品一覧ページを作ってください。

商品データ:
- 商品名、価格、画像URL、カテゴリを持つ
- ダミーデータを5件用意して
- カード形式で3列グリッド表示
- カテゴリでフィルターできるようにして
- 価格の安い順・高い順でソートできるようにして

次のStepで商品詳細ページを追加する予定です。

5W1Hフレームワーク

AIへの指示を考えるとき、以下の5W1Hを意識すると漏れがなくなる。

要素質問指示に含めること
What何を作るかアプリの種類、機能「家計簿アプリ」
Who誰が使うかターゲットユーザー「一人暮らしの20代」
Why何のために目的、解決したい課題「毎月の支出を把握したい」
Whereどこで使うかプラットフォーム「スマホのブラウザで」
Whenいつ使うか利用シーン「買い物の直後にサッと入力」
Howどんな見た目・動きかデザイン、UI、技術「シンプル、片手で操作可能」

5W1Hを使った指示の例

【What】月々の収支を記録する家計簿Webアプリを作ってください。

【Who】一人暮らしの20代がターゲットです。
【Why】毎月「何にいくら使ったか」を把握して、節約ポイントを見つけたい。
【Where】スマホのブラウザで使います。
【When】買い物の直後にサッと入力するイメージです。

【How】
- 入力は最小限(金額、カテゴリ選択、メモ)
- 片手で操作できるUI(ボタンは大きめ)
- 月別のカテゴリ別円グラフ
- 月ごとの支出推移の棒グラフ
- データはlocalStorageに保存

技術:React + Tailwind CSS
ℹ️

全部埋めなくてOK

5W1Hの全項目を毎回書く必要はない。最低限「What」と「How」があれば十分。慣れてきたら他の要素も加えていこう。


すぐ使える指示テンプレート5選

テンプレート1:Webサイト

[サイトの種類]のWebサイトを作ってください。

目的:[目的]
ターゲット:[誰向けか]

ページ構成:
1. [ページ名]([内容])
2. [ページ名]([内容])
3. [ページ名]([内容])

デザイン:
- [メインカラー]基調
- [雰囲気](モダン / シンプル / かわいい / プロフェッショナル等)
- レスポンシブ対応
- フォントは[ゴシック体 / 明朝体]

技術:[HTML / Astro / React / Next.js等]

テンプレート2:Webアプリ・ツール

[ツールの種類]を作ってください。

機能:
1. [機能1]
2. [機能2]
3. [機能3]

入力:[ユーザーが入力するもの]
出力:[ツールが返すもの]
データ保存:[localStorage / ファイル / なし]

UI:
- [画面の説明]
- [ボタンやフォームの配置]

技術:[React / Python / JavaScript等]

テンプレート3:既存コードの修正

以下のコードに[修正内容]を追加してください。

現在の動作:[今どう動いているか]
期待する動作:[どう動いてほしいか]
変更箇所:[できるだけ具体的に]

注意:
- 既存の[機能名]は壊さないでください
- [制約条件があれば記載]

[コードを貼り付け]

テンプレート4:デザイン変更

以下のデザイン変更をお願いします。

変更内容:
1. [要素名]の[プロパティ]を[現在の値]→[変更後の値]
2. [要素名]の[プロパティ]を[現在の値]→[変更後の値]

全体的な方向性:[モダンに / 落ち着いた感じに / ポップに等]

参考:[参考サイトのURLや「○○のようなイメージ」]

テンプレート5:API連携

[APIサービス名]のAPIを使って[やりたいこと]を実装してください。

API情報:
- エンドポイント:[URL]
- 認証:[APIキー / OAuth等]
- 取得したいデータ:[データの種類]

表示方法:
- [カード形式 / テーブル / グラフ等]
- [更新頻度:リアルタイム / ボタンクリック時等]

エラー処理:
- API制限に達した場合:[メッセージを表示]
- ネットワークエラー:[リトライ / キャッシュ表示]

段階的に作るコツ

バイブコーディングの最大のコツは**「一度に全部作らない」**こと。

なぜ段階的に作るべきか

一括で作る場合段階的に作る場合
1000行のコードにバグが隠れやすい50行ずつ確認するのでバグが見つけやすい
期待と違ったら全部やり直し各ステップで軌道修正できる
AIがコンテキストを見失いやすいAIが直前の文脈を正確に把握
完成まで動くものが見えない各ステップで動くものが見える

段階的開発の実例:ブログサイト

Step 1

まず最小限のブログを作る

「Astroで1記事だけ表示するブログを作って。Markdownで記事を書ける構成にして」→ 基本構造を確認

15分
Step 2

記事一覧ページを追加

「記事の一覧をカード形式で表示するトップページを追加して。日付の新しい順に並べて」

10分
Step 3

カテゴリ機能を追加

「記事にカテゴリを付けられるようにして。カテゴリページでフィルタリングできるようにして」

10分
Step 4

デザインを整える

「全体のデザインをモダンにして。メインカラーは紫、カードに影をつけて、ヘッダーを固定表示にして」

10分
Step 5

SEO対策を追加

「各ページにメタデータ、OGP、構造化データを追加して。サイトマップも生成して」

10分
⚠️

大きな指示は失敗のもと

一度に1000行のコードを生成させると、どこかに必ずバグが入る。50〜100行ずつ小さく作って確認するのが、結果的に最も速い。「急がば回れ」はバイブコーディングでも真理。


AIとのやり取りで使えるフレーズ集

バイブコーディングでは、最初の指示だけでなくその後のやり取りも重要。以下のフレーズを覚えておくと便利だ。

修正を依頼するフレーズ

シーン使えるフレーズ
デザインを変えたい「ヘッダーの背景色を○○に変えて」
機能を追加したい「○○の機能を追加して。既存の機能はそのまま維持して」
レイアウトを変えたい「カードを2列→3列に変えて。スマホでは1列にして」
テキストを変えたい「タイトルを○○に、説明文を○○に変えて」

トラブル時のフレーズ

シーン使えるフレーズ
エラーが出た「以下のエラーが出ました。修正してください:[エラーメッセージを貼り付け]」
画面が真っ白「画面に何も表示されません。コンソールエラーを確認して修正してください」
一部だけ動かない「○○ボタンをクリックしても反応しません。原因を特定して修正してください」
前の状態に戻したい「直前の変更を取り消して、1つ前の状態に戻してください」

品質を上げるフレーズ

シーン使えるフレーズ
コードの説明「このコードの各部分にコメントを追加して、何をしているか説明して」
パフォーマンス「ページの読み込み速度を改善してください。画像の最適化とコードの軽量化をして」
アクセシビリティ「WAI-ARIAのルールに従ってアクセシビリティを改善して」
レスポンシブ「スマホ(375px)、タブレット(768px)、PC(1200px)で確認して、崩れている箇所を修正して」

よくある失敗パターンと対処法

失敗1:一度に全部指示してしまう

問題対処法
「ECサイトを全部作って」と一気に指示機能ごとに分割。まず商品一覧、次にカート、次にチェックアウト
AIが途中で混乱してバグだらけ1回の指示は1つの機能に絞る

失敗2:曖昧な色・サイズ指示

問題対処法
「明るい色にして」→ 期待と違う色カラーコード(#3b82f6)やTailwindのクラス名(bg-blue-500)で指定
「大きくして」→ 大きすぎpx値やrem値で具体的に指定

失敗3:変更範囲を指定しない

問題対処法
「デザインを変えて」→ 全体が変わってしまう「ヘッダーだけ」「このボタンだけ」と範囲を限定
既存の機能が壊れる「既存の○○は変更しないで」と明記

失敗4:エラーを自分で解決しようとする

問題対処法
エラーを見て焦るエラーメッセージをそのままAIに貼り付けるだけでOK
自分でコードを修正して悪化AIに任せる。それがバイブコーディング
ℹ️

エラーは恥ずかしくない

バイブコーディングでエラーは日常茶飯事。プロのエンジニアも毎日エラーと戦っている。大事なのはエラーを恐れないこと。エラーメッセージをAIに渡せば、ほとんどの場合は解決してくれる。


よくある質問(FAQ)

Q. 英語で指示を出した方がいいですか?

A. 日本語でOKです。 2026年現在のAI(Claude、GPT-4等)は日本語の理解力が非常に高く、日本語で指示を出しても英語と遜色ない結果が得られます。ただし、技術用語(React、Tailwind等)は英語のまま使った方が正確に伝わります。

Q. 最初の指示で完璧にしなきゃダメ?

A. いいえ。 むしろ最初は「60%の指示」で十分です。AIが生成した結果を見てから「ここを変えて」「この機能を追加して」と対話で詰めていくのがバイブコーディングの正しいやり方です。最初から完璧を目指すと指示を書くだけで疲れてしまいます。

Q. AIが期待通りのものを返してくれない場合は?

A. 指示を具体化するか、別の言い方を試しましょう。 特にデザイン関連は、参考イメージの説明を加えると精度が上がります。「Appleのような洗練されたデザインで」「NotionのようなシンプルなUIで」のように、有名サービスを参考として伝えるのも効果的です。

Q. 長い指示を書くのが面倒です

A. テンプレートを活用しましょう。 上で紹介したテンプレートをメモアプリに保存しておき、プロジェクトごとに空欄を埋めるだけで十分な指示が作れます。慣れると5分もかかりません。

Q. AIに「これでいいですか?」と聞かれた場合は?

A. 実際に動かして確認してから返答しましょう。 コードを見て判断する必要はありません。ブラウザで表示して、期待通り動いているか確認するだけでOKです。動いていれば「OK、次は〇〇を追加して」、問題があれば「ここが違う」と伝えましょう。


まとめ:指示の出し方を制する者がバイブコーディングを制する

バイブコーディングの成果の8割は「指示の質」で決まる。

この記事のポイント:

  1. 具体的に伝える – 「いい感じ」ではなく色・サイズ・構成を明確に
  2. 5W1Hフレームワークを使えば漏れがなくなる
  3. テンプレートを活用 – 毎回ゼロから考えない
  4. 段階的に作る – 小さく作って確認を繰り返す
  5. 対話で改善 – 最初の指示で完璧にしなくてOK
💡

次のステップ

指示の出し方がわかったら、次は「初めてのプロジェクトアイデア」で実際に作るものを決めよう。そして、ツールカテゴリで自分に合ったAIツールの使い方を学んで、手を動かしてみよう。

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